テニス上達の近道!

〜元オリンピック強化スタッフ&元日本代表コーチの田中信弥が  テニスを通してあなたの人生が豊かになるお手伝いをさせて頂きます〜

2013年09月

■「ダブルスのレシーブサイドの決め方について、ご質問を受けました!」■

■こんにちは、田中信弥です。

いつもお読みくださり、本当にありがとうございます。


■今日は、S・T様から頂きましたご質問にお答えすることで、
あなたのテニス上達に寄与したいと思います。

   ↓

★S・Tです。

いつも「テニスのヒント!」を楽しく読ませていただいております。

会員ではありませんが、実践DVDもいくつか購入させて頂いて
勉強させていただいております。


■今回はテニスのヒントへの感想ではないのですが、質問があります。

左利きと右利きのダブルスの陣形についてです。

自分の息子が、今度中学校でダブルスのペアを組むことになった
のですが、パートナーの子が左利きだとのことです。


■子供から、

「自分(右利き)は、どちらのポジションにつくべきか?」

と聞かれましたが、恥ずかしながら、息子が期待している答えが
返せませんでした。


■そこで、“はっ”と思い、

「田中さんなら、的を得た回答をしてもらえるのでは?」

と思い、躾ながら質問を送付させてもらいました。


■ちなみに、今回組むペアの特徴は・・・

・「2人とも、ファーストサーブは中学生にしては強力!」

(良いサーブを打ちます)


・「2人とも、中学生の中では背が高い!」


■そこで、下名が考えた案、

「2人のファーストサーブに威力があり、背も高いのであれば、
お互いのフォアハンドがミドル側になるポジションを基本とし、
センターへのポーチで攻めるテニスがいいのでは?」


■加えて。

田中さんの「ダブルスの王道!」ビデオを見て・・・

「オーストラリアンフォーメーションを、前衛のフォアがミドルになる時だけ
行い、サイドを固定して練習試合等をやってみるのも面白いのでは?」

と、アドバイスしました。


■この私の回答についての田中さんのご意見、また田中さんならこう考える
というアドバイスがございましたら、ご教授いただければ助かります。


■追伸:

「王道のダブルス!」を何度も見させていただいて、Iフォーメーションも
試してみたいと考えております。


■息子にも、

「Iフォーメーションも、いつでも使えるようになっておけ!」

と、教えていくつもりです。

以上、よろしくお願いします。


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■「ダブルスのレシーブサイドの決め方に・・・」
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■「決まりはありません!」

そのため、S・T様のアドバイスも、非常に素晴らしいものとなります。

どうぞ、自信を持ってご子息にお勧めください。


■その上で補足させていただきます。

現在の世界NO、1ダブルスペア、アメリカのブライアン兄弟。

彼等も、右利きと左利きのペアですが、左利きのボブ選手がデュースサイドを
守り、右利きのマイク選手がアドバンテージサイドを守っています。


■これも、S・T様がご子息に伝授された・・・

「センターをフォアハンドで強化する!」

ためのレシーブサイド決めと言われています。


■ですが、

・「仮にフォアハンドが弱い選手を含んだペアだったら?」

・「どちらかのレシーブサイドに、何らかの得手不得手を持つペアだったら?」


■はい。

「S・T様のご子息ぺア&ブライアン兄弟みたいなレシーブサイドの決め方
では、効力を発揮しない!」

こともあるわけです。


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■「昔は・・・」
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■「右利きの選手がデュースサイドを守り、左利きの選手がアドバンテージ
サイドを守る!」

このように教えられました。


■このレシーブサイドの決め方は、

「たくさんボールが集まるセンターを、2人ともバックハンドで守らなければ
ならない!」

ということで、今では主流ではないかもしれません。


■ただ、だからと言って一概に捨てきれなわけです。

・「フォアハンドが苦手!」

・「バックハンドが得意!」

・「パートナーの不得手をカバーするため、“こちら”のレシーブサイドを
  選択した!」

等々。

ダブルスには、そのペアにしかわからない“特殊”な事情があることも
多いからです。


■そして・・・

「それで良いのです!」

お互いの持ち味を吟味し、そのペアにしか出せない味を出す。

これが現実的なダブルス構築であり、ダブルスを行う醍醐味でもあるからです。


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■「言いたいことは、こうです!」
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■「ペアでたくさん話し合う。

自分達のダブルスに起こりえる問題や、特徴などを紙に書き出す。

その中から、自分達のダブルスにおいて、

“捨てるもの”、“生かすもの”を決める。

練習試合や、一番結果を出さなければならない大会以外の試合で、試しに試す。

上手く行ったもの、上手く行かなかったものを分類。

使えるものを残す。

この作業を繰り返し、自分達のダブルスを徐々に完成させていく!」


■すると・・・

「誰もマネの出来ない、独自のダブルスを持っている!」

こんな風に評価される、ダブルスとなっていくのです。


■そのため、私の最終的な答えは・・・

「レシーブサイドの決め方に、正解も不正解もない。」

ということになります。


■深い意図をお汲み取りいただき、ご理解くだされば幸いに存じます。

田中信弥


■追伸1:

オーストラリアフォーメーション、Iフォーメーションも試して頂けるとのこと。

「是非、その先の“新たなフォーメーション開発”まで突き進んでください!」


■これは、ご子息への言葉となります。

自分達で作り上げた新たなフォーメーションが、世界に認められるかも
しれませんからね。

*(「無理ではありません。

   どんなフォーメーションでも、始めは誰かが開発したのですから。)


■ダブルスの答は、そのペアだけが持っています。

カッコいい独自のダブルスを生み出し、勝利を手にされることを祈っております。


■いつも最後までお読みくださり、心から感謝しております。


田中信弥


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■追伸2:「あなたのテニス上達&健康&人生の幸せを心から願っています。」
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■「あなたが磨くべき、ストロークのショットとは?」■

■こんにちは、田中信弥です。

いつもお読みくださり、本当にありがとうございます。


■「マレー選手、腰の手術を決断! 今季絶望。」

ビックリしました。

先週、いきなりこの情報が駆け巡ってきたときには。


■ちょうど、今。

マレー選手の今夏のペースダウンをお話をしている最中です。

そのため、

「あまりにも、タイムリーすぎる」

このようにも思いました。


■マレー選手。

ナダル選手が膝の手術を決断したときと同じように、
焦らず、じっくり治す予定です。

ということで・・・

これまたナダル選手と同じように、

「“超絶進化”を果たした、すごいマレー選手を来季に見れる!」

このように感じるところもあります。


■さて、すると・・・

「マレー選手のこの夏のペースダウン。

ひょとして、腰の怪我のせいでは?」

という推測もできることになります。


■ただ、あえて言わせて頂けば、

「それは違います!」

このように申し上げることになります。

*(違うというより、「それは言っても仕方がないこと!」といったところで
  しょうか。)


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■「もちろん・・・」
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■怪我に対しては、一定の考慮は必要です。

また、

「すべて怪我のせいだ!」

という場合もあるかもしれません。


■ただ、マレー選手自身が、

「問題を抱えずプレーできている選手などいない。

誰もが大なり小なり問題を抱え、その中で上手くプレーしている。」

このように発言するように、

怪我は一つの要因でありながら、プロであるならば、そして試合に出る以上、
全ての責任を押しつけてはならないものなのです。


■ですから、腰の怪我があったことは、しっかりと頭に止めておきながらも、
あくまでもプレーの問題点に焦点を絞り、お話を進めることが肝心であると
考えます。

*(私自身、手術や入院を何度も経験しています。

  そのため、マレー選手に振りかかった問題の大きさは、
  痛いほど理解しているつもりです。

  ただ、それを乗り越えるのもプロの仕事。

  私もプロに徹したいと思います。)


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■「クロスコートの打ち合いの変化!」
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■「ウインブルドンを制した、初夏以降のマレー選手。

ベースラインの後ろでプレーする回数が多くなった!」

この問題点を、前回、指摘しました。


■ご承知の通り、この問題点には、

「打点も低くなる!」

という二次的障害が発生します。


■すると、どうなるか?

攻撃力がそれほどでもない、世界トップテン以下との対戦であれば、
マレー選手の守備力を持ってすれば何とか凌ぐことができます。

が、攻撃力に凄まじいものがある、世界トップテン内の選手ですと・・・

「どうしても、後手後手に回る!」

このように、防戦一方の展開に陥ることが多くなります。

*(世界トップテン選手ではありませんが、世界最高峰の攻撃力を有する
  ガルビス選手に負けたのも、これが原因の一つです。)


■と、同時に。。。

「ベースラインから下がり、打点も低くなったクロスコートショットは、

キレ、角度の両方を失い、対戦相手に脅威を与えることができない!」

知らぬ間に、このような3次元的障害をも発生。

厳しい終夏を、マレー選手は迎えることとなったわけです。


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■「どの選手にも当てはまることですが・・・」
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■「クロスコートを制するものが世界を制す!」

これが、ラリーの基本原則の一つ。

どれだけテニスが発展しても、コートの広さ、ネットの高さが変わらなければ、

「クロスのショットで徐々に追い込み、大きく開いたストレートに展開!」

このパターンは、原理原則となります。

*(たくさんの応用パターン、変形パターンはありますが、基本はこの形です)


■そして、皮肉なことに。

マレー選手が、ビッグタイトルを取れるようになった要因の一つも、

「クロスコートの打ち合いで、世界トップ選手に負けなくなった!」

ここにありました。


■昨年のロンドンオリンピック金メダル、その後のグランドスラム優勝、
準優勝。

これららの安定した戦績の裏側には、

「クロスコートショットに、以前以上の、キレ、角度がある。

そのため、対戦相手より先に、色々な展開を仕掛けることができていた!」

この成長が見られたのです。


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■「もちろん・・・」
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■終夏も、クロスコートには打っているんですよ。

ですが、キレ&角度がないため、逆にクロスショットで追い込まれる
回数が増える。

すると、“切り返し”のクロスショットで対抗することが多くなってしまう
のです。


■どこに問題があるのか?

はい。

「“切り返し”のクロスショットは、確かに格好の良い姿に映りますが、

基本的にディフェンシブショット。(守りのショット)

そのため、長い視点で試合を眺めた場合、試合を有利に進めるほどの効果は

発揮できない。」

ここにあるのです。


■結果、

「いつまでたっても、大きな試合の流れが自分の方に来ない!」

こんな状況になり、勝利をむかえることが難しくなったのです。


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■「そこで今日。あなたにチェックして頂きたいのが・・・」
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■「クロスコートショットの、キレと角度!」

残念ながら、私が拝見してきたウィークエンドプレーヤーの方の多くは、

正しいクロスコートショットが打てませんでした。


■そのため、対戦相手をラリーで追い込むことが苦手。

知らないうちに、守りに入らざるをえなくなり、

苦しい試合を強いられていました。


■ただ、これは、別段、不思議なことではありません。

実を言うと・・・

「かなり上級レベルのテニスプレーヤーでさえ、しっかりしたクロスコート
ショットを打つことは難しい!」

このような現実があるからです。


■ですから、

「あれっ? そういえば自分のクロスへのショット、ちょっと甘いかも?」

このようにお気づきになったなら、


■「よしっ!

誰もがクロスのショットを完璧に打つことはできていない。

ならば、真っ先に私が打てるようになろう!」

このように考えて頂き、改善に向かっていただきたいのです。


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■「本当に正しく打つには・・・」
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■たくさんのファクターが必要です。

ですが、まず。

    ↓

1・股関節を正しく使う 

2・肩甲骨を正しく使う

3・打点の高さに注意する


■上記3つ。

ここに気をつけて練習し続けてくだされば、

「80%以上のウィークエンドプレーヤーの方よりは、しっかりした
クロスコートショットを打てるようになる!」

このように断言できます。


■そのためには、

「今まで以上に、クロスコートラリーの練習を行う!」

これが、第一ステップ。

是非、頑張ってくださればと思います。


■追伸1:

プロ選手が、たくさんクロスコートラリーの練習を行うには、
それなりの訳があるということです。

*(昔、ジミー・コナーズ氏が来日したとき、
  
 「クロスコートの練習ばかりを長時間おこなう!」

  この姿を間のあたりにし、日本人コーチの方々がビックリした逸話も
  残っています。)


■改めて、

「クロスコートを制するものはテニスを制す!」

この言葉を、大事にしたいものですね。


■いつも最後までお読みくださり、心から感謝しております。


田中信弥


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■追伸2:「あなたのテニス上達&健康&人生の幸せを心から願っています。」
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■「全英優勝後のマレー選手のペースダウンを、あなたのテニスに置き換えると?」■

■こんにちは、田中信弥です。

いつもお読みくださり、本当にありがとうございます。


■前回。

「ナダル選手の優勝から見る、“未来型テニス”とは、一体、何か?」

この序章をお話しました。

簡単に振り返ると・・・

「守りの象徴であるナダル選手が、攻めの象徴であるフェデラー選手化に
歩を進めた!」

このように言えるかもしれません。


■つまり、自らの鉄壁の守りのテニススタイルに、最大ライバルが得意とする
攻撃型のテニススタイルまでも取り入れることに成功しつつある。

これが、今現在。

破竹の“ハードコート無敗街道”を走り続けている理由の一つと言えるのです。

*(「ナダルはハードコートでは勝てない!」と言われた時期。

   さらには、怪我で7ヵ月間も試合から遠ざかっていた期間。

   このような二重苦、三重苦を乗り越え、今の“超絶進化”を達成。

  「ありえない」努力をしたことが、自然と伝わってきます。)


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■「その姿とは対照的に・・・」
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■2012年以降。

元世界NO、1である、イワン・レンドル氏とタッグを結成。

今までどうしても手がどかなったビッグタイトルを、一気に獲得しだした
マレー選手。

彼の2013年のハードコートシーズンは、散々なものとなりました。

*(もちろん、彼のレベルでの散々であり、普通の選手であれば、
 
 「最高のハードコートシーズンだった!」

  ということになるのでしょうが・・・)


■一体、問題はどこにあったのか?

その問題を、あなたのテニスにどのように生かせるのか?


■それは・・・

・「打点の高さの変化!」

・「攻撃の早さの変化」*特にクロスコートの打ち合い

・「セカンドサービスの遅さ!」

この3点となります。


■ひとつずつ、説明します。


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■「なぜ? 高い打点からのハードヒットが減少!」
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■これには“ビックリ”しました。

ロンドンオリンピック、全米オープン、ウインブルドンなど。

今まで取れなったビッグタイトルを総なめに出来た要因の一つが・・・

「打点が高くなり、攻撃性が増した!」

ここにあるからです。


■以前は、フェデラー選手にさえ、

「攻撃の遅いマレー選手が、トップになるとは思えない!」

と言われていました。


■が、見事に打破。

今で、高い打点からのフォアハンドエースを、“これでもか!というほど
量産できるようになったのが、“新生”マレー選手の姿だったのです。


■なのに。。。

この夏のハードコートシーズンの試合を見る度に、

「何で? 何で?」の叫び声が、心の内から上がるのを打ち消せない。

ひつように、ラりーを続けるマレー選手がそこにいたのです。


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■「もちろん・・・」
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■「世界トップである、マレー選手のこと。

全米オープンが本番だから、前哨戦では何かを調整しているのだろう。

それが打点の高くない理由だ!」

とも考えました。


■ですが・・・

本番の全米オープンでも、前哨戦と大きく変わる姿は見られなかったのです。

かすかに残っていたのは、以前にお話しした、

「対戦相手のセカンドサービスを高い打点で叩く攻撃が増した!」

この戦術だけ。


■ラリー中のストロークで、イ二シアティブを握るカギとなる、

高い打点のストロークは、準々決勝でワウリンカ選手に負けるまで

見られずじまいでした。


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■「本当の理由はわかりません。ですが・・・」
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■もちろん、自身も世界トップ選手であり、元世界最高選手をコーチにつけて
いるマレー選手のこと。

問題を把握していないとは考えられません。


■ですから、本当の問題は“そこ”。

「把握することはできているのに、なぜ変化できなかったのか!」

この一点だと考えています。


■その答えとなるヒントが、一つだけあります。

準々決勝で、マレー選手に勝利したワウリンカ選手のコメントです。

「彼はときどき、後ろに下がるクセがあるからね!」


■そう、習性、クセ。

良い意味で捉えれば、「自らの得意領域!」

これが当然ながらマレー選手にもあるわけで、彼の場合、

「ベースラインの後ろ!」は、もともと居心地の良い得意領域だったため、

いつの間にか戻ってしまっていた、とも考えられるのです。

*(ウインブルドン優勝後、しばらく練習、実戦から遠ざかっていました。

  そのため復帰した後、なかなか“新生マレー”に戻すことができなかった
  のかもしれません。)


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■「この話、あなたのテニスのどこに生かすのか?」
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■ダ―ウィンの「進化論」です。

つまり・・・

「強いものが生き残るのではない。

賢いものが生き残るのでもない。

変化したものだけが生き残るのだ!」

ここに当てはめてください。


■言い変えれば、

「自らの得意領域だけでは、通用しないのが勝負の世界!

ならば、得意領域 + 現在のトレンドを追従する姿勢を崩してはいけない。」

ということなのです。


■確かに。

マレー選手の進化の過程を見ていても、自らの自然な姿を崩す作業を
強いられる部分はあります。

そのため、人によっては違和感を強くすることもあるでしょう。


■ですが、思い出してください。

ナダル選手は、世界中のマスコミや選手から貶され続け、

*「ハードコートでは勝てない!」と。

再起できるかわからないほどの怪我をしても、

現在のトレンドを追従する姿勢を崩さず、

やがて全ての評価を覆すことに成功したのです。

*(しかも、得意領域である“粘り”から、真逆の世界である“攻撃”に

  シフトしたことは、尋常ではないほどすごいことです。)


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■「大切なのは・・・」
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■あなたの得意領域 + 現在〜未来のトレンド

これをミックスし、テニス構築し続けること。

つまり、

「自らの今にテニスに満足していては、最後は生き残れない!」

この歴史的事実を正確に理解し、常にトレンドを意識し続けることです。


■ナダル選手は、“粘り”を失ったわけではありません。

得意領域はそのまま残し、新たなトレンドを受け入れ、進化を果しました。

マレー選手も同じです。

今は、何らかの理由で取り戻せていませんが、新たなテニスを構築したことで
素晴らしい結果を出したことは、紛れもない事実。


■ですから、教訓とするべきは、

「新たなトレンドを受け入れ進化したならば、それをキープし、

さらなる進化も目指す!」

このようになるかもしれません。


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■「我々は、変化を嫌う動物!」
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■残念ながら、潜在意識は変化を嫌います。

すぐに元に戻ろうとします。


■そのため、気をつけて自らを見張り続け、

・「自分は進化し続けているだろうか?」

・「元に戻ろうとしていないだろうか?」

これをセルフチェックし、

「さらに、前へ、前へ進んでいく!」

この姿勢を持ち続けましょう。


■追伸1:

そういえば・・・

全米オープン決勝で、ナダル選手に敗れたジョコビッチ選手は言いました。

「ナダル選手には、心からの祝辞を述べる。

そして、僕は前に進む!」


■「くぅ〜、しびれますね!」

お互い、困難があっても前に進みましょう。


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■追伸2:「次回は・・・」
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■「マレー選手のペースダウンの原因を、あなたのテニスに置き換えると?」

この第二弾として、

・「攻撃の早さの変化」*特にクロスコートの打ち合い

こちらに言及する予定です。


■この題材は、オリンピック金メダル、グランドスラム優勝を奏でることが
できた、一つの大きな武器の話でもあります。

そのため、あなたにおかれましては、

「これを鍛えることで、活路が見出さる!」

という感覚を持てることになるでしょう。


■ただ・・・

「いくつか、あなたにとっても興味深いご質問も届いております。

そのため、“予定変更”となった際には、ご容赦ください!」


■いつも最後までお読みくださり、心から感謝しております。


田中信弥


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■追伸3:「あなたのテニス上達&健康&人生の幸せを心から願っています。」
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■「ナダル選手の優勝から見る、“未来型テニス”とは、一体、何か?」■

■こんにちは、田中信弥です。

いつもお読みくださり、本当にありがとうございます。


■ナダル選手の優勝で幕を閉じた、全米オープン。

わずか7ヵ月前は・・・

「走り回るのが真骨頂であるナダル選手。

膝をケガをした今、以前と同じ戦績を望むのは酷!」

こんな話も“チラホラ”出ていました。


■それが今や。

「苦手であったはずのハードコート。

膝に一番負担があるハードコート。

そこで、負けなしのパーフェクトチャンピオンに生まれ変わった!」

こんなアメージングな戦績を叩きだしました。


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■「別物です!」
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■今年の全米オープンをご覧になったなら、すでにお気づきの通り、

「ナダル選手のポジショニング、打点が、以前と全く違う!

それは、『まるで別物』というくらい。

ベースラインから下がることなく打つ回数が飛躍的に増え、

ライジングを含む、打点を落とさずに打つことが日常的となった!」

このような大きな変化を見せてくれたのです。


■いみじくも、

「フェデラー選手のライジング倍返しショットが見られなくなった!」

と発言しましたが、それを代わりにナダル選手が打っている。


■つまり、ベースライン後方。

しかも、コート外に追い出されたナダル選手が、「起死回生!」とばかりに放つ

“巻き込みスーパーエース”を、今やベースライン上(時には内側)から、

何発も打つようになっているのです。


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■「ライバルはたまりません!」
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■もともとライバル選手達は、

「ナダル選手の、強力なストロークには舌を巻く!」

このように思っています。


■そこにきて・・・

「フェデラー選手が得意とするような、速い展開もマスターしてしまった!」

これでは、“鬼に金棒”状態なわけで、「全くもってたまらない!」というのが、

偽ざる心境でしょう。


■加えて、ナダル選手本人が言うように・・・

「サービスが絶好調なんだ!」

このようにサービスまでも進化。

これでは、出る大会、出る大会に優勝しても、全く不思議ではありません。


■一体、この勢いはいつまで続くのか?

膝の怪我は、再発しないのか?

ライバル達は、どのようなナダル選手攻略法を編み出してくるのか?

興味がつきない、今日この頃です。


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■「そこで次回からは・・・」
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■あなたのテニスの未来。

これを作るために、さらに詳しい分析を、わかりやすくお話ししていきます。


■たぶん、次回は、

「マレー選手の凋落から見る、あなたが絶対にしてはいけないテニス!」(仮題)

ここから話始めることになるでしょう。


■わずか、二ヵ月前。

歓喜のウインブルドン初優勝を飾ったマレー選手。

(イギリス人選手としては、78年振りの優勝です)


■ですが、その後のハードコートシーズンでは、まるでチャンピオンらしさを
発揮できずに終わりました。(3大会とも、数試合をTVで観ました)

もちろん、本人インタビューにあるように、

「達成感からくる、多少のバーンアウト(燃え尽き症候群)は仕方がない!」

という精神的な問題もあるでしょう。


■ですが、プレー振りも変わってしまったところがあるのです。

その点を、“未来のテニス”との関係性から紐解き、あなたのテニス構築に

お役立てくだされば、これほどうれしいことはありません。


■それでは、次回以降を楽しみにお待ちください。


■いつも最後までお読みくださり、心から感謝しております。


田中信弥


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■追伸:「あなたのテニス上達&健康&人生の幸せを心から願っています。」
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About us
田中信弥画像

日本のトップジュニアとして活躍後、法政大学在学中にプロ選手を連破し、プロに転向。 その後、全日本選手権ベスト4、全日本ローンコート選手権ベスト4、関東オープン準優勝、 神奈川オープン、東北オープン優勝等を収める。日本プロランキング7位。

委嘱状

現役引退後は、伊達公子氏のアメリカ遠征に2年連続同行し、 ナショナルコーチ及びオリンピック強化スタッフを歴任。 男女日本代表選手の指導、ジュニア日本代表の育成に従事し、 (財)日本テニス協会強化副委員長も務めました。 更には、日本体育協会テニス上級コーチも取得。

プロサッカーチーム、鹿島アントラーズとの提携ではじめた 「鹿島アントラーズテニスクリニック」では、月2回、たった90分のクリニックで、 進学校生を地元史上初めてインターハイに出場させる。 地元では「オリンピック選手を輩出したに等しい」との評価を受け、 その模様は雑誌「T・テニス」にて3回にわたり掲載されました。

又、年間200回に及ぶオンコートテニスセミナーを全国で開催し、 「脳の仕組み」、「体の仕組み」を利用した最短時間上達法 「瞬間直し(R)」 を伝授。

その指導法は、NHK中国地方版ニュース、NHK鳥取地方版ニュースにて 「田中信弥の指導法」としても紹介されました。 その他、NHK全国版技術特集、TV東京「おはスタ!」、東海TV等々に多数出演。 雑誌「T・テニス」においては、「ファイルレッスン(カラー16ページ:読者ランキング1位)および 「基本の強化書(カラー6ページ)」を大好評連載しました。

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