■こんにちは、田中信弥です。

いつもお読みくださり、本当にありがとうございます。


■前回。

「ナダル選手の優勝から見る、“未来型テニス”とは、一体、何か?」

この序章をお話しました。

簡単に振り返ると・・・

「守りの象徴であるナダル選手が、攻めの象徴であるフェデラー選手化に
歩を進めた!」

このように言えるかもしれません。


■つまり、自らの鉄壁の守りのテニススタイルに、最大ライバルが得意とする
攻撃型のテニススタイルまでも取り入れることに成功しつつある。

これが、今現在。

破竹の“ハードコート無敗街道”を走り続けている理由の一つと言えるのです。

*(「ナダルはハードコートでは勝てない!」と言われた時期。

   さらには、怪我で7ヵ月間も試合から遠ざかっていた期間。

   このような二重苦、三重苦を乗り越え、今の“超絶進化”を達成。

  「ありえない」努力をしたことが、自然と伝わってきます。)


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■「その姿とは対照的に・・・」
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■2012年以降。

元世界NO、1である、イワン・レンドル氏とタッグを結成。

今までどうしても手がどかなったビッグタイトルを、一気に獲得しだした
マレー選手。

彼の2013年のハードコートシーズンは、散々なものとなりました。

*(もちろん、彼のレベルでの散々であり、普通の選手であれば、
 
 「最高のハードコートシーズンだった!」

  ということになるのでしょうが・・・)


■一体、問題はどこにあったのか?

その問題を、あなたのテニスにどのように生かせるのか?


■それは・・・

・「打点の高さの変化!」

・「攻撃の早さの変化」*特にクロスコートの打ち合い

・「セカンドサービスの遅さ!」

この3点となります。


■ひとつずつ、説明します。


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■「なぜ? 高い打点からのハードヒットが減少!」
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■これには“ビックリ”しました。

ロンドンオリンピック、全米オープン、ウインブルドンなど。

今まで取れなったビッグタイトルを総なめに出来た要因の一つが・・・

「打点が高くなり、攻撃性が増した!」

ここにあるからです。


■以前は、フェデラー選手にさえ、

「攻撃の遅いマレー選手が、トップになるとは思えない!」

と言われていました。


■が、見事に打破。

今で、高い打点からのフォアハンドエースを、“これでもか!というほど
量産できるようになったのが、“新生”マレー選手の姿だったのです。


■なのに。。。

この夏のハードコートシーズンの試合を見る度に、

「何で? 何で?」の叫び声が、心の内から上がるのを打ち消せない。

ひつように、ラりーを続けるマレー選手がそこにいたのです。


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■「もちろん・・・」
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■「世界トップである、マレー選手のこと。

全米オープンが本番だから、前哨戦では何かを調整しているのだろう。

それが打点の高くない理由だ!」

とも考えました。


■ですが・・・

本番の全米オープンでも、前哨戦と大きく変わる姿は見られなかったのです。

かすかに残っていたのは、以前にお話しした、

「対戦相手のセカンドサービスを高い打点で叩く攻撃が増した!」

この戦術だけ。


■ラリー中のストロークで、イ二シアティブを握るカギとなる、

高い打点のストロークは、準々決勝でワウリンカ選手に負けるまで

見られずじまいでした。


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■「本当の理由はわかりません。ですが・・・」
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■もちろん、自身も世界トップ選手であり、元世界最高選手をコーチにつけて
いるマレー選手のこと。

問題を把握していないとは考えられません。


■ですから、本当の問題は“そこ”。

「把握することはできているのに、なぜ変化できなかったのか!」

この一点だと考えています。


■その答えとなるヒントが、一つだけあります。

準々決勝で、マレー選手に勝利したワウリンカ選手のコメントです。

「彼はときどき、後ろに下がるクセがあるからね!」


■そう、習性、クセ。

良い意味で捉えれば、「自らの得意領域!」

これが当然ながらマレー選手にもあるわけで、彼の場合、

「ベースラインの後ろ!」は、もともと居心地の良い得意領域だったため、

いつの間にか戻ってしまっていた、とも考えられるのです。

*(ウインブルドン優勝後、しばらく練習、実戦から遠ざかっていました。

  そのため復帰した後、なかなか“新生マレー”に戻すことができなかった
  のかもしれません。)


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■「この話、あなたのテニスのどこに生かすのか?」
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■ダ―ウィンの「進化論」です。

つまり・・・

「強いものが生き残るのではない。

賢いものが生き残るのでもない。

変化したものだけが生き残るのだ!」

ここに当てはめてください。


■言い変えれば、

「自らの得意領域だけでは、通用しないのが勝負の世界!

ならば、得意領域 + 現在のトレンドを追従する姿勢を崩してはいけない。」

ということなのです。


■確かに。

マレー選手の進化の過程を見ていても、自らの自然な姿を崩す作業を
強いられる部分はあります。

そのため、人によっては違和感を強くすることもあるでしょう。


■ですが、思い出してください。

ナダル選手は、世界中のマスコミや選手から貶され続け、

*「ハードコートでは勝てない!」と。

再起できるかわからないほどの怪我をしても、

現在のトレンドを追従する姿勢を崩さず、

やがて全ての評価を覆すことに成功したのです。

*(しかも、得意領域である“粘り”から、真逆の世界である“攻撃”に

  シフトしたことは、尋常ではないほどすごいことです。)


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■「大切なのは・・・」
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■あなたの得意領域 + 現在〜未来のトレンド

これをミックスし、テニス構築し続けること。

つまり、

「自らの今にテニスに満足していては、最後は生き残れない!」

この歴史的事実を正確に理解し、常にトレンドを意識し続けることです。


■ナダル選手は、“粘り”を失ったわけではありません。

得意領域はそのまま残し、新たなトレンドを受け入れ、進化を果しました。

マレー選手も同じです。

今は、何らかの理由で取り戻せていませんが、新たなテニスを構築したことで
素晴らしい結果を出したことは、紛れもない事実。


■ですから、教訓とするべきは、

「新たなトレンドを受け入れ進化したならば、それをキープし、

さらなる進化も目指す!」

このようになるかもしれません。


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■「我々は、変化を嫌う動物!」
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■残念ながら、潜在意識は変化を嫌います。

すぐに元に戻ろうとします。


■そのため、気をつけて自らを見張り続け、

・「自分は進化し続けているだろうか?」

・「元に戻ろうとしていないだろうか?」

これをセルフチェックし、

「さらに、前へ、前へ進んでいく!」

この姿勢を持ち続けましょう。


■追伸1:

そういえば・・・

全米オープン決勝で、ナダル選手に敗れたジョコビッチ選手は言いました。

「ナダル選手には、心からの祝辞を述べる。

そして、僕は前に進む!」


■「くぅ〜、しびれますね!」

お互い、困難があっても前に進みましょう。


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■追伸2:「次回は・・・」
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■「マレー選手のペースダウンの原因を、あなたのテニスに置き換えると?」

この第二弾として、

・「攻撃の早さの変化」*特にクロスコートの打ち合い

こちらに言及する予定です。


■この題材は、オリンピック金メダル、グランドスラム優勝を奏でることが
できた、一つの大きな武器の話でもあります。

そのため、あなたにおかれましては、

「これを鍛えることで、活路が見出さる!」

という感覚を持てることになるでしょう。


■ただ・・・

「いくつか、あなたにとっても興味深いご質問も届いております。

そのため、“予定変更”となった際には、ご容赦ください!」


■いつも最後までお読みくださり、心から感謝しております。


田中信弥


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■追伸3:「あなたのテニス上達&健康&人生の幸せを心から願っています。」
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